医師免許を持つ「医師」がいるのが病院や整形外科
交通事故などによって、「むち打ち症」と言われる「外傷性頚部症候群」になってしまった場合、その治療を受ける機関としてどのような所があると思いますか?
まず考えられるのは、一般の病院や整形外科などの「医師」のいる治療機関です。
医学部で6年間医学の勉強をして、医師国家試験に合格した人のみが国家資格者としての医師免許を手にすることができます。
柔道整復師免許を持つ、接骨院や整骨院
次に接骨院・整骨院・鍼灸院などの「柔道整復師」や「鍼灸師」などのいる治療機関です。(写真:河村接骨院)
国が指定した学校か養成施設で3年以上医療の勉強をして、国家試験に合格した人が「柔道整復師」や「鍼灸師」となれるのです。
この他にも「整体院」や「カイロプラクティック」「気功」などがありますが、こちらは民間資格であるため、基準が個々によってバラバラです。
ここでは、主に「医師」のいる病院・整形外科と、「柔道整復師」のいる接骨院・整骨院のそれぞれの特徴や違いをみていきましょう。
病院や整形外科は、検査能力に優れている
まず、病院や整形外科は、西洋医学的な方法論に基づいており、さらに、システムがきちんと決まっていて、その中で治療を行っています。
そのため、様々な検査によって診断(病名をつける)して治療方針を決め、その後で理学療法士などがリハビリを行うという分業体制になっており、効率的なシステム治療と言えます。
しかし、むち打ち症の多くは、検査では異常が見当たらないのに患者さんが痛みを訴えるケースが多いため、西洋医学的アプローチだけでは、適切な治療をすることができなくなってしまうのです。
さらに、病院や整形外科などで一般的に行なわれている療法に「牽引」があります。
牽引とは、そのままの意味で、首から腰にかけて垂直に引っ張ることにより、関節の隙間を徐々に広げてあげ痛みを緩和させることができます。
ですが、当協会でもなかなか良くならないという患者さんが来院されていることから、必ずしも全員に効果的とは言えません。
これは効率化を求めた欠点とも言え、治療方法が厳しく決められているからだと推測できます。
そもそも、”むち打ち症の多くは、頭が強制的に揺さぶられることによって、首(頸椎)が損傷し無理無理に伸びている状態”です。
この状態で牽引してしまうと、損傷している首をさらに引っ張って伸ばすことになりますので、良くなるどころか最悪の場合、悪化することが考えられます。
これでは患者さんが訴えている症状に対応した治療であるとは言えません。
診察者と施術者の二役を担う、接骨院・整骨院
次に、接骨院・整骨院などでは、どのような治療を行っているのかと言いいますと、
柔道整復師が問診・視診・触診を入念に行って患者の異常部位を見極めて、そのまま手技療法などで症状に対処します。(写真:ふたば接骨院)
病院や整形外科との違いとして、柔道整復師が診察者と施術者の二役を担っているため、的確で素早い対応が可能となります。
また病院や整形外科では、初診時で症状が軽くなるということは少ないようですが、接骨院・整骨院では初日に施術を受けただけで症状が緩和することがあります。
これを東洋医学的な考え方で「診断即治療」といい、その場で個々に持っている自然治癒能力を引き上げて、身体をいち早く元の状態に戻す療法なのです。
しかし、接骨院・整骨院にはレントゲンやMRIなどの検査機能はありません。
ですから、接骨院・整骨院で治療を受ける場合でも、病院などで検査をしておくことは大切です。
また交通事故に必要な診断書は、医師しか認められていないため、病院や整形外科のバックアップは必要です。
そのため、当協会でご紹介している接骨院・整骨院では、そういった検査等のバックアップを受ける為、病院と提携を必須としておりますのでご安心ください。
病院(整形外科)と接骨院・整骨院にはそれぞれの役割が違いますので、どちらも目的にあった治療機関を選びましょう。
もし迷った場合は、当協会の認定院に直接ご相談ください。
一生懸命に対応させていただきます。