痛みの感じ方や、回復時期は年齢や体質によって個人差がある
こんにちは!むち打ち治療協会の広報担当のナオルです!
むち打ち症の治療には、柔道整復師の施術(手技)が、効果的で早期回復に繋がるとお話してきました。
そこで今回は、むち打ち治療協会が認定する柔道整復師がどのような診療方法で、人間が本来持っている自然治癒力を引き出しながら、むち打ち症の改善に当っていくかを具体的にお話ししていきたいと思います。
一般に、むち打ち症の痛みや症状は、交通事故が起きた時の衝撃の度合いの他、患者さんの年齢や体質などによって症状が現れる時期も異なり、痛みの感じ方や回復時期にも個人差があります。
そのため、私たちは、患者さん一人ひとりが違う状態(症状)であることを理解した上で、筋肉の損傷の程度を触診によって判断していきます。
専門家の触診で、筋肉組織の状態を診る
しかし、これは治療家ならば誰もが判るというものではありません。(写真:寿徳堂秋和鍼灸整骨院)
そこには、豊富な経験と実績によって養われた、一種の感覚というものがあります。
むち打ち症になった場合、筋肉の組織が壊れている状態になるので、触診をしながら、筋肉組織がどのくらい壊れているのか、また、神経がどれほど圧迫されているかなどを確認しながら、症状の重度、軽度をみていきます。
初期段階のアプローチの仕方が、早期回復への鍵となる
壊れている筋肉組織が元に戻るためには、絶対的に必要な時間があります。
例えば、擦り傷によって出血した部位がかさぶたになって元に戻っていく、というステップを踏むように、損傷した筋肉組織も元に戻っていくために絶対的に必要な時間があります。
しかし、患者さんが正常な日常生活に一日でも早く復帰できるように努めるのが私たち治療家の役目だと思っています。
そのために、初期の段階からどうアプローチをしていくのか、この時の処置方法の適切さが早期回復の鍵となります。
炎症期には、「アイシング」で筋肉を冷やすのが大切!
むち打ち症の多くは、首の周辺に炎症が起きていることが多いので、まず、アイシングで患部を冷やします。
アイシングは、筋肉を冷やすという働きがあるので、むち打ち症の初期症状には非常に有効な処置です。
実はこの初期段階で「冷やす」ということをしているか、していないかで、その後の施術期間はかなり変わってくることが多いのです。
炎症期には、首の状態も極力安静にすることが大原則となります。
そのため、一時的に首の動きを固定する「頚椎カラー(首用コルセット)」を使用することもあります。
ただし、この「頚椎カラー」は長期的に使用することはあまりお奨めできません。
というのも、「頚椎カラー」は首や頭を支えてくれるので、使用していると楽なのですが、関節や筋肉が硬くなってしまい、筋力も低下するため、脱着後に慢性肩コリや頭痛に悩まされるようになってしまうからです。
手技(施術)で筋肉をほぐし、患部を温め、血流を改善する
こうした炎症期を過ぎると次は筋肉組織が回復してくる時期です。
首や肩の筋肉をほぐしながら、炎症期に落ちてしまった筋力をストレッチなどによって、少しずつ元に戻していきます。
また、血行促進を目的に手技で筋肉をほぐしたり、遠赤外線などで患部を温めます。
この温めるという行為も、回復力を高めるポイントになります。
体の細胞というのは、温めると組織の再生が速まるという特性があります。
そのため、自然治癒力を上げるためには、体温を上げることが必要となるのです。
治療院(整骨院・接骨院)で捻挫や打ち身、むち打ち症などの施術に遠赤外線やマイクロ波などを使って温めているのは、こうした理由から行われています。
腫れている時は筋肉をしっかり冷やしますが、腫れが引いたら次は温める。
このようにして、自然治癒力が向上していくよう、サポートしていきます。
痛みが和らいでも、自己判断で完治したと思ってはいけない
この段階までくると、これまでには小さな動作一つで激痛が走っていた首も、かなり楽になってきます。
人によっては自己判断で完治したと思いこんで、通院を止めてしまう方もいらっしゃいます。
しかし、この自己判断は最も危険なことです。
この段階で油断して、症状を悪化させてしまう方もかなり多いのです。
しばらくの間、安静にしていた反動もあるのかもしれません。
つい無理をしてしまったり、今まで気を使いながら制限してきた首の動きが無防備になり、再び筋肉組織に炎症が起きてしまうことがあります。
この状態をかさぶたに例えて説明すると、かさぶたになったところを剥がしてしまい、患部が再び出血したという状態です。
傷口を早く治すには、かさぶたができ、自然に剥がれ落ちるのを待つという時間が必要なのです。
無理をしないで、自分自身の健康を第一に考える
むち打ち症の場合も同様で、せっかく回復に向かっているのに、ここで無理をしてしまったために、症状が振り出しに戻ってしまうということも少なくありません。(写真:ゆう整骨院)
この時期にどうしても首に負担のかかるようなことをしなければならない場合は、必ず担当の治療家の先生に相談して下さい。
ここで悪化させてしまうと、慢性化する恐れもありますので。
通院している時は長く感じられるかもしれませんが、一生の時間の中で考えたらわずかな時間です。
無理をせずに、まずは自分自身の健康を第一優先に考えて行動して下さい。
患者さんの自然治癒力を高めることで早期回復に繋がるよう、むち打ち治療協会の認定院では、適度な運動もリハビリとして指導を行っています。
しばらく安静にしていた筋肉は筋力が低下していますので、重い頭を支えるだけでも、首コリ、肩コリが起こりやすくなっています。
ですから、首の筋肉を少しずつ慣らすように軽いストレッチをしていただくこともあります。
ストレッチで気を付けていただきたいのが、頑張りすぎないことです。
まれに「沢山やった方が早く良くなる」と思う患者さんがいらっしゃいますが、お身体の状況によっては悪くなることもありますので、担当の施術家にご相談しながらストレッチの量を調整しましょう。
認定院での初見チェック(施術や検査)については「なぜか良くなる!認定院では、どのような施術や検査を行っているのかを紹介!」で解説していますので、ご覧ください。
いかがでしたでしょうか。
今回は、ムチウチ症を回復するまでの流れを具体的にご紹介しました。
接骨院・整骨院によって細部は異なりますが、ご自身が治療院に行く際の参考にして下さい。
また当協会でご紹介している認定院は、首から腰に関わる治療のスペシャルリストです。
もし頭痛、肩こり、目まい、吐き気など、寝ても回復されない場合(他の治療院で良くならない場合)は、むち打ち治療協会の認定院にご相談ください。
一生懸命に対応させていただきます。